ぶっちゃけQ&A

昆虫食 超ぶっちゃけQ&A !!

Q  なんで昆虫食が注目されてるの?
A 2030年タンパク質危機と2050年食料危機の対策として昆虫食が注目されています。

 途上国では、経済発展にともなって炭水化物中心の食生活から、欧米寄りの肉食文化に移行しつつあります。更に途上国の人口増加率は高いです。そのため、途上国を中心に肉の需要が急増中で、2030年には肉の供給量が追いつかなくなると予想されています(2030年タンパク質危機)。
 また、人口増加がこのままのペースだと2050年には90億人を突破し、食糧不足が懸念されます(2050年食料危機)。
 そのため国連(FAO)は2013年に、家畜よりも少ない飼料と水で生産できる昆虫食を推奨しました。世界的に昆虫食が「未来食」として注目されてきています。
 更に昆虫食は、宇宙食としての可能性も秘めています。例えば将来、人類が長期宇宙旅行や火星移住する為には、宇宙船内や火星で食料を自給自足しなければいけません。昆虫は少ない飼料で育ち、育成期間も短く繁殖力も高い。しかも宇宙船の限られたスペースでも生産可能です。そのためJAXAやNASAでも、昆虫を貴重な宇宙におけるタンパク源として研究しています。

 

Q  ほんまに食料危機は起きるん?
30年前から「石油はあと30年で枯渇する」と言われてたけど、石油は全然枯渇してない。「食料危機」も同じとちゃうん?

A 食料危機は起きないという考えもありますが、当社は食糧難の有無にかかわらず、栄養価が高い「肉」である昆虫食の普及によって、食文化の豊かさ向上と食料生産の効率化、人々の健康増進に寄与したいと考えています。

山下 一仁「「世界人口が増え、食料危機が起きる」のウソ-世界中の農業専門家が作り上げたフェイクニュースの実像に迫る- 」『WEBRONZA』2018年7月9 日
 https://www.canon-igs.org/column/macroeconomics/20180723_5140.html
によると

・食料危機と価格高騰は「短期的」に起きる
 天候不順などの何らかの突発的な理由で需給のバランスが崩れ、価格が急騰
農業専門家が叫ぶのは「恒常的」な食料危機
 しかし恒常的な食料危機は起きていない。なぜなら
・1961年から人口は2.4倍に増えたが、穀物生産は人口増加を上回る3.4倍に
 食料供給の増加が人口や所得による需要の増加を上回っているからである。
・まして日本では起きない食料危機
世界の穀物価格が3~4倍に高騰し、途上国の多くの人が食料配給の長い列に並んだ2008年、我が国の食料品の消費者物価指数は2.6%上昇しただけだった。飲食料品の最終消費額に占める農水産物の割合は15%、うち穀物を含めた輸入農水産物は2%に過ぎないからである。・・・日本に起こる食料危機とは、軍事的な紛争等によりシーレーンが破壊され、外国の船が怖くて日本に近づけないような時である。東日本大震災で生じたように、食料への経済(金銭)的なアクセスではなく、物理的なアクセスが途絶するケースである。

と食料危機が起きないという考えもあります。
また、「医療技術と衛生環境の向上による死亡率低下」と「食糧生産量の増加」「平均寿命の向上」によって(原因)、人口が爆発的に増えたこと(結果)に異論を唱える方はいないかと思います。

 【原因】
・医療技術と衛生環境の向上による死亡率低下
・食糧生産量の増加
・平均寿命の向上

 【結果】
・人口爆発

 「食糧問題」とは、「人口爆発だから(原因)、食糧生産量を増やすべき(結果)」であり、上記の原因と結果を入れ替えた主張かもしれません(卵が先か鶏が先か)。 

 

Q 昆虫食は地球温暖化対策になるの?

A 昆虫の温室効果ガス排出量は、畜産の数十分の一から数百分の一です。これが国連が昆虫食を推奨した理由の一つです。では、肉の代わりに昆虫を食べることが地球温暖化対策になるか?という議論ですが、これは諸説があります。

①先進国での昆虫養殖は暖房が必要
 昆虫は変温動物で、暖かくないと増えません。そのため、先進国のように涼しい地域で昆虫養殖する場合は、暖房が必要です。暖房の温室効果ガス排出量を考えると、昆虫食は必ずしも「地球温暖化対策」になるとは限らないです。

②肉を食べるのをやめても、気候変動にほとんど影響がない
https://gigazine.net/news/20191012-vegetarianism-climate-change/
引用「バージニア工科大学で畜産学を研究しているロビン・ホワイト氏とアメリカの農業研究事業団の研究者であるメアリー・ベス・ホール氏の共同研究でも「アメリカの食料生産システムから動物を除外した場合の総温室効果ガス排出量の減少はわずか2.6%」との研究結果」

③CO2が地球温暖化の原因という説が、そもそも間違っている可能性がある。
 1970年代はむしろは地球寒冷化説が主流でした。地球温暖化説も時代とともに変わるかもしれません。一昔前に地球温暖化問題の例として「沈みゆく島国」のツバルが問題視されましたが、近年の調査では、1971年から2014年にかけてツバルの国土は2.9%増えていたことが判明しました。また都市化によるヒートアイランド現象と地球温暖化が混同されている場合もあります。
CO2濃度上昇と気温上昇の因果関係は、原因と結果を入れ替えている可能性もあります。例えば炭酸水は、温度が上がるほど炭酸がどんどん抜けます。同様に、海に溶けているCO2は、気温が上がるほど、大気中に抜けていきます。つまり気温上昇により(原因)で、大気中のCO2濃度が上昇した(結果)という説も成立するかもしれません。

④植物はCO2を吸収して成長するため、植物の成長にはCO2濃度が高い方が好ましい。
 大気中のCO2濃度は400ppmだが、例えば植物工場内でCO2濃度を1000ppmまで高めると光合成速度が2倍になり野菜の収穫量が増える(恐竜時代のCO2濃度は1000ppm)。逆に、二酸化炭素濃度が下がると植物の生産量は減少する。つまり理論上、食糧難対策として食糧生産量を増やすには、CO2濃度が高い方がいい。

Q  昆虫食と畜産の比較データは出典によって、なんでめっちゃ違うの?

A 計算方法が違うからです。
 例えば1kg分のコオロギと牛の肉を生産するのに必要な水は、データ元によっては、1:2千のところもあれば1:2万のところもあり、出典によって大きく違います。
しかし「水不足対策」の点で昆虫食の優位性を論じるのであれば、昆虫や牛が飲む水の量での比較ではなく、バーチャルウオーター(仮想水)の概念での比較が適切でしょう。つまり、餌の生産に必要な水の量も全て含めての比較です。例えば小麦1kg生産するのに必要な仮想水は2トン、大豆1kgを生産するのに必要な仮想水は2.5トン、牛肉1kgの仮想水は20.6トンです。コオロギの仮想水は餌の種類によって決まりますが、コオロギの餌の仮想水を考慮に入れれば、牛肉の数十分の1程度になるでしょう。昆虫に与える餌の内容によっては、昆虫の仮想水は鶏や豚と大差ない場合もありえます。
同様に昆虫と畜産の温室効果ガス排出量の比較についても、昆虫養殖の暖房(畜産より暖房費が必要)や労力(昆虫は小さくて軽いため手間ががかる)を考慮に入れないと、本当は意味がありません。
こういうことを正確に伝えず、昆虫食の環境負荷の低さのみをアピールすることは、好ましくないでしょう。

 

Q  昆虫食は地球を救うの?

A 地球を救うというのは、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、
昆虫食の普及によって食料生産の効率化が進み、食の選択肢も増えて、人類はより豊かになるでしょう。
 「
昆虫食」という食料生産と食の選択肢が加わることで、人類の生活は、文化的にも物質的にもより豊かになるでしょう。例えば日本で肉食文化が復活して食文化がより豊かになったように、昆虫食の普及により食文化はより豊かになるでしょう。
 人類の食料生産方法は、狩猟と山菜採りがそれぞれ畜産と農業に発展することで、食料の安定供給が可能になり人口も増えました。現在の食料生産に、昆虫食と昆虫養殖が加わることで食料生産量が増加し、物質面でもより豊かになるでしょう。

 

Q  食料危機や地球温暖化の否定説も掲載するなど、国連やICPPなどと異なる意見も載せるのはなんで?

A 当社は科学的に公平中立な観点から、両論併記を旨としています。
当社は昆虫食の普及を通じて、食育や自然科学、生物多様性などの教育にも寄与していきたいと考えております。そのため当社は昆虫食を普及する立場ですが、科学的に公平中立で、両論併記を旨としております。歴史を振り返れば、

「天動説⇨地動説」
「重たい物ほど早く落ちる(アリストテレス)⇨重たい物も軽い物も同じ速度で落ちる(ガリレオの落下実験)」
「ニュートン力学⇨量子力学(ニュートン力学は巨視的な世界では近似的に成立するが、ミクロな系では成立しない)」
「(30年前)30年後に石油が枯渇する!⇨(現在)シェールガス革命&石油の掘削技術発展で石油埋蔵量は豊富」
「(10年前)太陽光発電は環境に優しい!⇨(現在)・・・略・・・・」

と、当時の常識や学説は覆されてきました。もちろん、食料危機などあらゆる事態を想定した対策は重要ですが、過度に危機を煽ったり、昆虫食が環境に優しい点を実態以上にアピールするのは適切ではありません。

 

Q  外で昆虫を捕まえて食べることって、意味あるの?

サバイバル訓練や、自然科学、生物多様性などの教育になります。
虫取り網を使って昆虫を捕まえて食べることは、山菜採りや魚釣りに近いです。昆虫は小さくて軽いため、食料として大量に捕まえるのは、時間やコスト、移動時間、昆虫採集に必要なカロリーと捕まえた昆虫から得られるカロリーを考慮に入れると、「食料確保」の点で割に合わないことが大半です。これは国連が提唱する「食料危機対策」や「タンパク質危機対策」としての昆虫食とは意味や目的が異なります。
 しかしメディアなどでは、両者が混同されて報じられる場合があります。他の産業と比較すると、両者の違いは明確になるでしょう。

趣味の世界
「虫取り網で捕まえた昆虫」≒「山菜採り」≒「魚釣り」

食糧生産、国連が提唱するタンパク質危機対策
「養殖など大量生産の昆虫」≒「農業、スーパーの野菜」≒「漁業、魚屋さんの魚」
 

Q 先進国で虫を食べる必要があるの?

A 必要はありませんが、美味しくて栄養価があるから食べるようになるでしょう
 例えば日本では、古代よりシカやイノシシなど肉を食べてきました。しかし仏教伝来以降、肉食禁止令がだされるなど「肉=ゲテモノ」になりました。明治維新後に、西洋文化を取り入れて肉食文化が復活し、今では和洋中、様々な料理に肉は使われています。では、現代の日本で肉を食べる必要があるかと言えば、江戸時代以前のように肉を食べなくても生きていけます。では、なぜ肉を食べるのかと言えば、美味くて栄養価が高いからです。
欧米ではお寿司はゲテモノ扱いでしたが、今ではヘルシーフードになっています。

 歴史は繰り返します。昆虫食にも同じことが起こるのではないでしょうか。
 つまり昆虫食文化は農薬の普及などで衰退し、「ゲテモノ」になりましたが、今後、昆虫食文化が復活して、食材の選択肢に昆虫が加わることで、食文化はより豊かになっていくでしょう。
現在社会はネットの普及によって、以前とは比較にならないほど、情報拡散と変化のスピードが増しています。昔は食文化は数十年単位で変化していきましたが、食文化の変化はますます早くなるでしょうか。昆虫食が「おかずの一品」として食卓に登場するのも、そう遠くない未来かもしれません。

 

Q なんで先進国で昆虫食が廃れたん?

A 先進国で昆虫を食べるのは非合理的だからです。
 昆虫は小さくて軽いため、昆虫を捕まえて食べることは、体の大きな人類にとって効率的ではありません。それでも食べられてきたのは、害虫駆除を兼ねていたからです。先進国の場合、涼しい地域のため、昆虫の絶対量が少なく、しかも農薬の普及により、害虫駆除を兼ねて昆虫を食べる必要もなくなりました。更に、他の食料生産量の増加や冷蔵技術、流通の発達により、昆虫以外のものを食べた方が、経済的に合理的になりました。
 逆に言えば、養殖技術の発達などによって昆虫食が合理的になれば、昆虫食文化が復活するのではないでしょうか。昆虫食は栄養価が高いので、安くて美味ければ、「食糧難」とか関係なく普及していくでしょう。

 

虫なんか食べても大丈夫なん?

A 大丈夫です。むしろ昆虫は高タンパク質で鉄分やミネラルが豊富、オメガ3などの不飽和脂肪酸や不溶性食物繊維(キチン質)も豊富で理想的な食材なのです。ヨーロッパでも昔は普通に昆虫は食べられていました。日本でも長野県なと一部の地域では今でも伝統食として食べられています。世界では20億人もの人たちが食べています。例えばタイやアフリカなど昆虫食の本場では、昆虫は肉の数十倍の値段がする超高級食材でご馳走です!それに実は気がつかないだけで、光沢剤や着色料などにも昆虫は使われていて、普段から皆さん昆虫を食べています(笑)
 ただし、昆虫はエビやカニ(甲殻類)に近いため、甲殻類アレルギーの方はご注意くださいね。

 

Q 昆虫食を食べてみたけど美味しくなかったぞ?

A 昆虫食も他の肉や魚と同じで、保存方法や調理・加工方法によって、味が大きく左右されます。昆虫は魚のように劣化しやすいため、適切に保存・加工しないと味もニオイも悪くなりやすいです。

 

Q そこら辺の草むらや外で捕まえた虫を売ってるの?

A いいえ。FDA(アメリカ食品医薬品局)の適正製造規範(Good Manufacturing Practice: GMP)の衛生基準に従ったカナダの衛生的な工場で生産・製造された高品質な食用コオロギとミールワームや、管理された敷地で育った食用イモムシなどを扱っています。自然採取の昆虫は、どこで何を食べたのか分からないというリスクや安全性に問題がある場合があります。)

 

Q 品質にバラツキはある?  安定供給はできるの?

A 弊社は北米最大の食用コオロギ養殖企業の日本パートナーです。企業様向けに商品の原材料として安定供給することができますのでご安心ください。

 

Q 厚生労働省検疫所の審査もクリアーしたの?

A はい。昆虫食に限らず、厚生労働省検疫所に輸入届出をして審査に合格しないと、営業目的で食品を輸入することができません(食品衛生法)。また、弊社取り扱い食用コオロギはアメリカ・EU・カナダの有機食品認定を受けており、日々の製造過程にも最大限の努力をさせていただいております。また、当社取扱のアフリカ産の食用イモムシなどは、微生物検査なども食品検査もしており、日本の食品分析企業の「加熱済み食品(パン、豆腐など)」の基準もクリアした衛生的な食品です。

 

 

 

 

 

【参考文献】

三橋淳(2012)『昆虫食文化事典』八坂書房.

梅谷 献二 「知らずに食べている食品混入昆虫」『公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会』  http://www.jataff.jp/konchu/hanasi/h20.htm (2017年8月26日にアクセス)

Emily Main「The Grossest Bugs You Don’t Know You’re Eating」『RodalesOrganicLife.com 』2012年4月27日  https://www.rodalesorganiclife.com/food/bugs-food/slide/7 (2017年8月26日にアクセス)

国連の報告書 Edible insects -Future prospects for food and feed security-  http://www.fao.org/docrep/018/i3253e/i3253e00.htm (2017年8月26日にアクセス)

宮ノ下明大「火星ひとりぼっちと昆虫食 」『農研機構』2016年3月23 日  http://www.naro.affrc.go.jp/org/nfri/yakudachi/gaichu/column/column_068.html(2017年8月26日)

宇宙農業  https://sites.google.com/site/spaceagriculture/ (2017年8月26日にアクセス)

山下雅道 ・片山直美 ・橋本博文 ・富田-横谷香織 ・宇宙農業サロン (2007)「火星をめざす宇宙農業構想―日本・アジアからの発信―」『日本マイクロブラビティ応用学会誌』Vol.24 No.4(2007年)、340-347ページ  http://www.jasma.info/wp-content/uploads/past/assets/images/jornal/24-4/2007_p340.pdf (2017年8月26日にアクセス)

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