2017-10-19

【専門家コメント①】日本における昆虫食への関心の高まり(昆虫料理研究家の内山昭一先生からコメントを頂きました!)

昆虫料理研究家の内山昭一先生からコメントを頂きました!①

筆者が昆虫料理研究会を立ち上げた1998年当初は、昆虫食への関心以前に「昆虫食って何?」という人たちが大部分でした。日本人の多くは昆虫を食べ物と思っていませんでしたし、むしろ反対に不潔で気持ち悪い嫌悪すべき対象でしかなかったのです。そのためテレビの罰ゲームなどで昆虫は格好の素材とされてきました。

昆虫料理研究会は、夏はセミ、秋はバッタなどを採集し、美味しく食べる活動を続けてきました。ちょうどインターネットの普及とともに参加者も増えて、月々の試食会も多くの参加者でにぎわうようになりました。東京の阿佐ヶ谷の「よるのひるね」というカフェバーで開かれている試食会はすでに100回を数え、延べ1000名以上の皆さんに昆虫を食べていただいています。

そんな昆虫食界で2013年に画期的な事件がありました。国連のFAOが昆虫食を推奨する「食用昆虫――食料および飼料の安全保障に向けた将来の展望」と題する報告書を出したのです。

この報告書が出てから世界的に昆虫食への関心が高まってきました。メディアでも従来の家畜に比べて飼料効率の良さや可食部率の高さ、温室効果ガスをほとんど出さないこと、飼育のための水や土地が少なくてすむこと、そしてなにより優良なタンパク源であることなど、昆虫食を科学的に分析し、その有用性を紹介する報道が一気に増えたのです。

昆虫食イベントへの参加者の関心は以下の四つに大別できます。

①寄食(好奇心)としての昆虫食、

②グルメ(美食)としての昆虫食、

③旬(採集)を楽しむ昆虫食、

④食料(栄養)としての昆虫食

の四つです。

参加者の顔ぶれをみますと、報告書がでてから①が減り④が多くなってきている傾向が見られます。昆虫食を研究テーマとする学生や、昆虫を普通の食材として考える参加者が増えてきています。

東京で行っている月例試食会では毎回初めて参加する人が半数を超え、最近の昆虫食への関心の広がりを感じます。さらにここ数年各地の博物館などで昆虫食イベントに招かれることが多くなってきました。

そうした試食をともなうイベントでは親子の参加者が多く、食育への関心の高まりが感じられます。

内山昭一先生より

昆虫料理研究会HP http://insectcuisine.jp/

 

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