昆虫食ぶっちゃけQ&A !!

Q  なんでワザワザ虫を食べなあかんねん?

A 人口増加がこのままのペースだと2050年には90億人を突破し、食糧不足が懸念されます。漁獲高も年々減少しています。そのため国連(FAO)は2013年に、家畜よりも少ない飼料と水で生産できる昆虫食を推奨しました。世界的に昆虫食が「未来食」として注目されてきています。

また昆虫食は、宇宙食としての可能性も秘めています。例えば将来、人類が長期宇宙旅行や火星移住する為には、宇宙船内や火星で食料を自給自足しなければいけません。昆虫は少ない飼料で育ち、育成期間も短く繁殖力も高い。しかも宇宙船の限られたスペースでも生産可能です。そのためJAXAやNASAでも、昆虫を貴重な宇宙におけるタンパク源として研究しています。

 

Q なんか食べても大丈夫なん?

A 大丈夫です。むしろ昆虫は高タンパク質で鉄分やミネラルが豊富、オメガ3などの不飽和脂肪酸や不溶性食物繊維(キチン質)も豊富で理想的な食材なのです。ヨーロッパでも昔は普通に昆虫は食べられていました。日本でも長野県なと一部の地域では今でも伝統食として食べられています。世界では20億人もの人たちが食べています。例えばタイやアフリカなど昆虫食の本場では、昆虫は肉の数十倍の値段がする超高級食材でご馳走です!それに実は気がつかないだけで、光沢剤や着色料などにも昆虫は使われていて、普段から皆さん昆虫を食べています(笑)

ただし、昆虫はエビやカニ(甲殻類)に近いため、甲殻類アレルギーの方はご注意くださいね。

 

Q そこら辺の草むらや外で捕まえた虫を売ってるの?

A いいえ。FDA(アメリカ食品医薬品局)の適正製造規範(Good Manufacturing Practice: GMP)の衛生基準に従ったカナダの衛生的な工場で生産・製造された高品質な食用コオロギとミールワームです(自然採取の昆虫は、どこで何を食べたのか分からないので、安全性に問題がある場合があります。)

 

Q 品質にバラツキはある?  安定供給はできるの?

A 弊社は北米最大の食用コオロギ養殖企業の日本パートナーです。企業様向けに商品の原材料として安定供給することができますのでご安心ください。

 

Q 厚生労働省検疫所の審査もクリアーしたの?

A はい。昆虫食に限らず、厚生労働省検疫所に輸入届出をして審査に合格しないと、営業目的で食品を輸入することができません(食品衛生法)。また、弊社取り扱い商品はアメリカ・EU・カナダの有機食品認定を受けており、日々の製造過程にも最大限の努力をさせていただいております。

 

 

 

 

 

専門家のコメント

 

松井欣也准教授 東大阪大学短期大学部 実践食物学科 学科長

専門分野:給食管理、重症心身障害児(者)の栄養管理、災害時の栄養管理、昆虫食

 http://www.higashiosaka.ac.jp/about/teacher/matsuikinya/
 http://www.higashiosaka.ac.jp/college-magazine/interview012/

  2013年5月にHuisらが国連食糧農業機関(FAO)より発行した報告書「Edible Insects-Future Prospects for Food and Feed Security-(食用昆虫‐食料及び飼料の安全保障に向けた未来の展望)」(以下FAO報告書)は、日本においてもテレビや新聞など各種メディアに取り上げられ、昆虫が食料として有望であることが広く人々に周知されることとなった。

 しかし、我が国では、昆虫食文化の残る長野県や内陸地方以外では「昆虫は食べ物」という認知度は低下している。

 FAO報告書によると、世界では2,000種以上の昆虫が食され、昆虫食を伝統文化としてもつ人は少なくとも20億人はいるとされる。昆虫は魚や肉と比べ、良質なたんぱく質や食物繊維のほか、ミネラルやビタミンも豊富に含まれており、栄養価の高い食材といわれている。

 昆虫は、国際的に食品として管理の対象に組み込まれていないのも現状であるが、食用昆虫を将来の新規食品と位置づけ、新しい国際基準の枠組みを定めていこうとする試みが世界で進められている。

 今後、養殖可能、身近に採集できる食用昆虫を選定し、その栄養成分を明らかにすることで、昆虫食の普及に努めながら、栄養学、調理学、飼育学、利用学などの多様な観点から、体系的な「食用昆虫学」の構築を急ぎたい。

 

 

内山昭一 昆虫料理研究家 

昆虫料理研究会HP http://insectcuisine.jp/

日本における昆虫食への関心の高まり

 筆者が昆虫料理研究会を立ち上げた1998年当初は、昆虫食への関心以前に「昆虫食って何?」という人たちが大部分でした。日本人の多くは昆虫を食べ物と思っていませんでしたし、むしろ反対に不潔で気持ち悪い嫌悪すべき対象でしかなかったのです。そのためテレビの罰ゲームなどで昆虫は格好の素材とされてきました。

 昆虫料理研究会は、夏はセミ、秋はバッタなどを採集し、美味しく食べる活動を続けてきました。ちょうどインターネットの普及とともに参加者も増えて、月々の試食会も多くの参加者でにぎわうようになりました。東京の阿佐ヶ谷の「よるのひるね」というカフェバーで開かれている試食会はすでに100回を数え、延べ1000名以上の皆さんに昆虫を食べていただいています。

 そんな昆虫食界で2013年に画期的な事件がありました。国連のFAOが昆虫食を推奨する「食用昆虫――食料および飼料の安全保障に向けた将来の展望」と題する報告書を出したのです。

 この報告書が出てから世界的に昆虫食への関心が高まってきました。メディアでも従来の家畜に比べて飼料効率の良さや可食部率の高さ、温室効果ガスをほとんど出さないこと、飼育のための水や土地が少なくてすむこと、そしてなにより優良なタンパク源であることなど、昆虫食を科学的に分析し、その有用性を紹介する報道が一気に増えたのです。

 昆虫食イベントへの参加者の関心は以下の四つに大別できます。

①寄食(好奇心)としての昆虫食、

②グルメ(美食)としての昆虫食、

③旬(採集)を楽しむ昆虫食、

④食料(栄養)としての昆虫食

の四つです。

 参加者の顔ぶれをみますと、報告書がでてから①が減り④が多くなってきている傾向が見られます。昆虫食を研究テーマとする学生や、昆虫を普通の食材として考える参加者が増えてきています。

 東京で行っている月例試食会では毎回初めて参加する人が半数を超え、最近の昆虫食への関心の広がりを感じます。さらにここ数年各地の博物館などで昆虫食イベントに招かれることが多くなってきました。

 そうした試食をともなうイベントでは親子の参加者が多く、食育への関心の高まりが感じられます。

昆虫の調理法について

 昆虫は昔から人が食べてきていますし、他の食材と調理法に変わりはありません。ただ昆虫は外骨格なので成虫になると甲虫など多くの種類で外側のキチン質が硬くなります。

 一般的に外皮が比較的硬い成虫は揚げると食べやすく、やわらかな蛹や幼虫は揚げる以外に煮たり焼いたりとレパートリーが広がります。とはいえ甲虫の成虫は揚げても外皮は硬くて食用に向きませんが、セミ成虫などは揚げるとサクサクした食感を楽しめます。

 甲虫は茹でるか電子レンジでホイル焼きし、開いて中身を掻き出して食べる方法もあります。飛ぶ筋肉が発達しているので胸の部分に赤身の美味しい肉がついています。

 では安心して食べるための注意点を挙げておきましょう。これだけ注意すれば安心して食べることができます。

①十分に加熱する

②下茹でなどする前の昆虫に触れたら、必ず手を洗う

③エビやカニのアレルギーのある人は注意する

④初めて食べるときは少量を試す

⑤有毒な昆虫は食べない(例えば、マメハンミョウ、マルクビツチハンミョウ、キイロゲンセイなど)

 

海外の昆虫食企業の日本参入について

 「いくら美味しくて栄養があっても見た目がどうも」というのが一般的な日本人の意見です。昆虫食を普及するためには見た目のハードルを下げることも大事です。

 たとえば北米最大の食用コオロギ養殖企業Entomo Farmsがあります。北米の多数の昆虫食ベンチャー企業やペットフード企業に原材料を提供しています。Entomo Farmsをはじめ、FAO報告以降世界各地で食用昆虫を販売する企業が増えてきています。

 これらの昆虫のほとんどは粉末で提供されているため、日本でも適当な価格で購入できれば昆虫食の普及にとって大きなメリットになるでしょう。

 EUでも来年から一部昆虫食品の販売が認可されることになっています。見た目に昆虫と分からないこれらの商品の参入は歓迎すべき動向といえます。

 

 

水野 壮

NPO法人食用昆虫科学研究会副理事長 農学博士

 食用昆虫の科学的評価が着実に進められてきている。昆虫の食料・飼料利用に関わる論文報告数は、2011‐2012年の年間1,2報に過ぎなかったが、2016年に入ると3カ月で二桁を突破し、2015年と比べて3倍以上増加した(下図参照)。食材としての昆虫の価値を、きちんと地に足の着いた形で見直していく時期にある。

 科学的研究と同時に、海外での食用昆虫ビジネスが活気を帯びている。ここ3年の間にクラウドファンディング「Kickstarter」において、食用コオロギを扱ったプロジェクト4件が目標額に達成しており、総計126万ドルの資金の調達に成功している。

 なかでも米国・ニューヨークを拠点とする食用昆虫を用いた食品を開発するExo社は、2014年以降着実に各所で資金調達を達成し、2016年3月のシリーズAにて400万ドルの資金を調達した。これまで資金調達額は累計560万ドル(約6億2300万円)にのぼる。

 同社の販売するプロテインバーに含有するコオロギは、北米最大級の昆虫養殖工場を持つEntomo Farmsから調達されている。社長のジャロッド・ゴールディン氏によると、「Entomo Farmsのコオロギは広い空間でのびのびと飼育されたコオロギ」だという。

地鳥ならぬ“地コオロギ”のお味はどうであろうか。

 

※"論文検索サイトScience direct よりタイトル、要旨キーワード検索”edible insect”でヒットした中から、昆虫の食用・飼料利用に関わる論文をカウントした。"

 

【参考文献】

三橋淳(2012)『昆虫食文化事典』八坂書房.

梅谷 献二 「知らずに食べている食品混入昆虫」『公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会』  http://www.jataff.jp/konchu/hanasi/h20.htm (2017年8月26日にアクセス)

Emily Main「The Grossest Bugs You Don't Know You're Eating」『RodalesOrganicLife.com 』2012年4月27日  https://www.rodalesorganiclife.com/food/bugs-food/slide/7 (2017年8月26日にアクセス)

国連の報告書 Edible insects -Future prospects for food and feed security-  http://www.fao.org/docrep/018/i3253e/i3253e00.htm (2017年8月26日にアクセス)

宮ノ下明大「火星ひとりぼっちと昆虫食 」『農研機構』2016年3月23 日  http://www.naro.affrc.go.jp/org/nfri/yakudachi/gaichu/column/column_068.html (2017年8月26日)

宇宙農業  https://sites.google.com/site/spaceagriculture/ (2017年8月26日にアクセス)

山下雅道 ・片山直美 ・橋本博文 ・富田-横谷香織 ・宇宙農業サロン (2007)「火星をめざす宇宙農業構想―日本・アジアからの発信―」『日本マイクロブラビティ応用学会誌』Vol.24 No.4(2007年)、340-347ページ  http://www.jasma.info/wp-content/uploads/past/assets/images/jornal/24-4/2007_p340.pdf (2017年8月26日にアクセス)