2017-12-09

昆虫食のメリットについて

近年、日本でも昆虫食に関する報道が増えてきました。

昆虫食のメリットついて、私の考えを述べます。

 

美味しい

昆虫食は美味しいです。国連が推奨する前から、世界で20億人の人達が昆虫を食べています。

「昆虫は食料に困っている人達の食べ物」という先入観を持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが、昆虫は高級食材です。タイやアフリカでも、食用昆虫は、肉の10倍以上の価格で取引されます

昆虫食が高額なのは、

・昆虫は自然採集がメインのため、捕獲するのに手間と時間が必要

・しかも、昆虫は小さいため、量を集めるのが大変

といった理由からです。例えば日本でも、蜂の子は、高級食材ですよね。昆虫は生産コストが高くて、生産量が少ないため、どうしても高額になってしまいます。

しかし将来、食用昆虫の養殖技術が発達し、生産量と生産効率の向上にともなって、昆虫食の価格は牛や豚と同程度の価格まで下がるでしょう。

 

例えば下記の画像は、弊社のパートナーのエントモ・ファームズの養殖工場の外観と内部です。エントモ・ファームズは北米最大の食用コオロギ養殖企業です。エントモ・ファームズの食用コオロギは、EUや米国、カナダのオーガニック認証や、NON-GMO Project の非遺伝子組み換え認証も通っています。

AERA2017年9月18日号によると、エントモ・ファームズのクリケットパウダー(粉末コオロギ)は、電通の子会社が出資した昆虫食ベンチャーEXOをはじめ、75社以上に卸売されています。エントモ・ファームズのクリケットパウダーは、プロテインバーやチップスなどに加工され、高級スーパーやオーガニックスーパーでも販売されています。記事にエントモ・ファームズ社長のジャロッドさんのコメントも記載していますので、見て下さいね。

 

エントモ・ファームズの工場面積は、設立から3年で8倍に拡大しました。現在も工場は拡張中です。設立当初と比べて、食用コオロギの生産コストも大幅に下がりました。

栄養価が高い

単位重量あたりの栄養価は、牛や豚よりも高いです。また、オメガ3やオメガ6、ミネラルも豊富です。

そのため昆虫食は、アスリート、女性、健康に気を使っている方、あまり食事の量を取れない方に向いているでしょう。

完全食

昆虫は、小魚のように丸ごと食べることができます。牛肉で例えるなら、ロースやバラ、ヒレ、タン、ホルモンなどを、まんべんなく少しづつ食べるようなものでしょう。

タンパク源の選択肢が増える

現在、日本人がよく食べるタンパク源は、牛、豚、鶏、魚、大豆などです。

 

牛や豚、鶏は大量養殖可能であり、生産コストが安いため、広く流通しています。その結果、動物性タンパク質の選択肢が非常に少なくなっています。

しかし、人間は本来雑食であるため、色々な動物性タンパク質を食べた方が健康にいいです。昆虫食が動物性タンパク質の選択肢に加わることで、健康に寄与するでしょう。

昆虫は日本食との相性がとてもいい

昆虫は海老や蟹に近い種族です。味も、海老や蟹に近いです。また、かつお節のような、いい出汁がでます。そのため、昆虫は日本食との相性がとてもいいです。

下記は弊社のスタッフが作成した「お好み焼き」です。お好み焼きの生地にクリケットパウダー(粉末コオロギ)を混ぜ、上からクリケットパウダークリケットロースト(ロースト状のコオロギ)を振りかけました。かつお節のように使うこともできます。

 

また例えば、お味噌汁にクリケットパウダーを少量加えただけでも、とてもいい出汁がでます

 

食糧難対策

現在の人口増加のペースだと、いずれ世界的な食糧難になるでしょう。そこで国連(FAO)は2013年に、昆虫食を推奨する報告書を出しました。

 

国連の昆虫食を推奨する報告書

原文 http://www.fao.org/docrep/018/i3253e/i3253e00.htm

日本語の要約(PDF) http://www.fao.org/3/c-i3264o.pdf

国連の昆虫食のHP http://www.fao.org/edible-insects/en/

 

昆虫は牛や豚の1/4に飼料で育ち、水も殆ど必要なく、生育速度も早いです。昆虫は「未来食」「次世代のタンパク源」として期待されています。

 

そもそも世界中で農耕文化が広がったのも、食糧難対策だったと思われます。

農耕文化が広がる前は、人類は狩猟生活がメインで、木の実や昆虫、動物などを食べていました。しかし、気候変動と人口増加に伴い、食料不足になってきました。そこで人類は、苦肉の策として、農耕を始めた可能性が高いです。

言わば、農耕は当時の食糧革命です。

現在、人類に新たな食糧問題が発生しており、食糧革命に迫られています

歴史は繰り返します。

昆虫食は古代から食べられてきた食材です。

私は昆虫食は原点回帰、温故知新だと考えています

欧米では、ほんの数十年前までは、生魚を食べるなんて信じられないという扱いでしたが、今では寿司はヘルシーな食べ物として認識されています。日本でも、肉が普通に食べられるようになったのは、この数十年のことです。

昆虫食が「普通の食材」として広く普及するのも、そう遠くないかもしれません。

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