2017-10-19
【専門家コメント④】NPO法人食用昆虫科学研究会副理事長の水野壮さんからコメントを頂きました!
NPO法人食用昆虫科学研究会副理事長の水野壮さんからコメントを頂きました!
食用昆虫の科学的評価が着実に進められてきている。昆虫の食料・飼料利用に関わる論文報告数は、2011‐2012年の年間1,2報に過ぎなかったが、2016年に入ると3カ月で二桁を突破し、2015年と比べて3倍以上増加した(下図参照)。食材としての昆虫の価値を、きちんと地に足の着いた形で見直していく時期にある。
科学的研究と同時に、海外での食用昆虫ビジネスが活気を帯びている。ここ3年の間にクラウドファンディング「Kickstarter」において、食用コオロギを扱ったプロジェクト4件が目標額に達成しており、総計126万ドルの資金の調達に成功している。
なかでも米国・ニューヨークを拠点とする食用昆虫を用いた食品を開発するExo社は、2014年以降着実に各所で資金調達を達成し、2016年3月のシリーズAにて400万ドルの資金を調達した。これまで資金調達額は累計560万ドル(約6億2300万円)にのぼる。
同社の販売するプロテインバーに含有するコオロギは、北米最大級の昆虫養殖工場を持つEntomo Farmsから調達されている。社長のジャロッド・ゴールディン氏によると、「Entomo Farmsのコオロギは広い空間でのびのびと飼育されたコオロギ」だという。
地鳥ならぬ“地コオロギ”のお味はどうであろうか。
※”論文検索サイトScience direct よりタイトル、要旨キーワード検索”edible insect”でヒットした中から、昆虫の食用・飼料利用に関わる論文をカウントした。”
水野 壮
NPO法人食用昆虫科学研究会副理事長。農学博士
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