昆虫食と寿司とカルフォルニアロール
寿司は、一昔前は欧米人にとって受け入れがたい食べ物でしたが、今ではヘルシーな食べ物として認知されています。
では、寿司がどのようにして普及したのかというと、
『・・・その東条氏へ直接質問してみました。同氏がバンクーバーに渡ったのは1971年。1970年代は日本食がまだ浸透していない時代で、「白人の方で刺身を食べる人はほとんどおりませんでした」という逆境の中、「白人の口に合う寿司やメニューを必死に生み出していった」そうです。黒い見た目から気持ち悪がられていた海苔を隠すために寿司飯を外側、海苔を内側に巻く海苔巻きを考案したところ、お客さんに受け入れられた(ガジェット通信2017.05.09 12:00 より)』
「(カリフォルニア・ロールは)生の魚介類を使わず、海苔を酢飯の内側に巻き込んで裏巻きにすることが多いため、生魚介や海苔になじみのないアメリカ人にとっては抵抗がない。
カリフォルニア・ロールで海苔と酢飯に慣れた後に、徐々に日本で一般的な寿司に入ってゆくアメリカ人が多いといわれる。(ウィキペディアより)」
つまり、
【課題】アメリカ人は生の魚介類や黒い海苔が苦手
↓
【解決手段】「生の魚介類を使わない」&「海苔を酢飯の内側に巻き込んで、海苔の見た目のハードルを下げる」(カルフォルニアロール)
↓
生の魚介類を使った寿司
と、段階を踏むことで寿司の普及に成功しています。
寿司の普及のケースが、昆虫食普及に当てはまると仮定すると、
【課題】欧米や日本では昆虫食への抵抗が大きい
↓
【解決手段】「昆虫を粉末にすることで見た目のハードルを下げる」
↓
昆虫の原型が分かる製品や料理
といった段階を踏むことになるでしょう。事実欧米では、粉末状の昆虫を使って、プロテインバーやチップス、パン、ハンバーグといった製品が次々に販売されています。
ご参考までに、下記画像はなんば赤狼のシェフに作って頂いたコオロギパン(クリケットパウダー使用)です。
北米ではクリケットパウダー(コオロギ粉末)を使った製品がオーガニックスーパーや高級スーパーなどで販売されています。
そもそも日本では、頭がついた魚が苦手な人が増えてきているように、生物の原型が分かる料理や製品へのハードルは、年々高くなってきているかと思います(牛や豚の丸焼きは、魚よりも遥かにハードルが高いでしょう)。
牛や豚や魚でさえ、料理や製品の見た目を非常に気にしています。
昆虫食といえど、牛や魚と同じ「食材」です。
昆虫は文化的な抵抗感やハードルがあるため、牛や豚、魚以上に見た目を気にする必要があるでしょう。